セージとシジミ
ハーブ作りから始 めた香りの庭

     K'sローズガー デン

バ ラの花と香りに癒される日々  
無農薬・減農薬
コガネ虫
カミキリムシ
アブラムシ
土作り
根 頭癌腫病

コガネ虫

我が家のバラに生息する黄金虫は、4月中旬頃から現れ始めカタモンコガネ、マメコガネ、ハナムグリ、ドウガネブイブイ、 アオドウガネ、ヒメコガネ、コフキコガネ、黄金虫、カナブンなどが季節毎に次々と入れ替わり、成虫が春先から夏の間にか けてバラの花や葉っぱを食害し、そして幼虫は1年中バラや芝生・その他樹木・野菜などの根を食い荒らす。
黄金虫との格闘、テデトール・フェロモントラップ・練り餌トラップなどを仕掛け、その様子を季節・年毎に綴っています。

2012年-2018年

アシナガコガネとヒメアシナガ

宮崎市では4月下旬から5月上旬
バラが最も咲き誇る一番花の時期、突然集団で現れ花を食い荒らすアシナガコガネとヒメアシナガコガネ。
特に白いバラとピンク系統の香りの強いバラを食い荒らす。
アシナガコガネ
グラミスキャッスルに集るアシナガコガネ(2018.5.5撮影)
上に見える羽が黒い模様のコガネは、ヒメアシナガコガネ
1日できれいな花が無残に食い荒らされる。

ヒメアシナガ
ヒメアシナガコガネ(2018.5.5撮影)
背中に黒い斑点模様があるのがヒメアシナガコガネ。
アシナガコガネとヒメアシナガコガネの成虫は、主に花弁を食べるそう。

成虫の捕獲は、下図のようにプラスチック製ジョウロとペットボトルを組み合わせた捕獲機をそっと花の下に持っていくとポ タポタと落ち始め、落ちないコガネは花を下に向けてジョウロに落とし、ペットボトルに殺虫剤を20mm程入れておけば完 璧です。殺虫剤を入れなくてもそのまま蓋をしてゴミに出せばOKです。
捕獲器
今年は2日でペットボトル3本ほど捕獲しました。

カタモンコガネ

4月中・下旬〜5月中旬・下旬(宮崎平野)
我がローズガーデンはこの時期開花の早いバラから順に一番花が咲き始め、バラが最も綺麗なそして楽しみな時期。しかし、 この時期に大暴れする黄金虫はどうやらカタモンコガネ(去年まではセマダラコガネかウスチャコガネと思っていた。。。) と思われる種類である。(下の写真)

体長は7/8mmと黄金虫の中でもかなり小さく、全身を覆っている甲羅(羽や頭など)は比較的柔らかくピンセットでつま むとつぶれる程。大食漢で逃げ足は結構早い、バラを傷つけないように花弁をそーっと開いて、つかみ損ねると中に潜ったり 飛んで逃げてしまう。

綺麗に咲いた花は勿論、未だ堅い蕾の中に、いつの間にか忍び込んで花弁やシベを食い荒らし、そこら中糞をまき散らす厄介 者である。

カタモンコガネの好物
 香りの良い淡いピンク色から白色のバラが大変お気に入り。グラミス・キャッスル、ヘリテージ、ウエッジ・ウッド・ロー ズ、ジェフ・ハミルトン、セプタード・アイル、シャリファ・アスマ、ORのソンブレイユ、粉粧楼などが一番先に犠牲とな り、赤色系のウイリアムシェークスピア2000やフォールスタッフ・LDブレスウエイトにはあまり入っていたことはな い。開き始めた蕾の中に酷い事に5匹も6匹も入り込んで食い荒らしている。

上の写真では蕾の中に入り込んでいるカタモンコガネ、上からコガネの足らしき姿がそれと判る。
花弁の中が少し黒ずんでいるなーと思ったら慎重に花弁を広げると案の定入っている。そして中の花弁はずたずたに食い荒ら されているのである。



テデトールも敵は小さく花弁と花弁の間に潜んでいるためピンセットでつまみ出して取っている。
テデトールを少しサボったり、雨が降ったりすると次の日は悲惨な状況が待っている。楽しみに開花を待っていた蕾がずたず たに食い荒らされているのである。

上の写真は蕾に入ろうとしているカタモンコガネ。

この為私のゴールデンウイーク中の主な仕事は黄金虫との戦い、毎日テデトールが日課となっている。また、 平日は出勤前の20分と帰宅後の30分をテデトールに費やさなければならないのである。

カタモンコガネの捕獲
5月3日は130匹
5月4日から1週間:毎日40匹程
5月12日から1週間:毎日20匹から10匹に減少
5月中旬以降カタモンコガネが減少

カタモンコガネは徐々に減り写真下の不明な比較的小さなコガネが現れてくるようになった。

ヒメアシナガ(2012年撮影)
5月下旬から
この頃になると一番やっかいなカミキ リムシも出現。

マメコガネ

5月20日
今年は早くもマメコガネの出現
去年は梅雨明け頃から本格的出現だったが、今年はもう現れたあの悪名高い「マメコガネ」別名:「ジャパニーズビート ル」。ジュビリーセレブレーションを食べていた。

去年はもっと遅かったはずなのに!

マメコガネ
1916年ごろ北アメリカに日本からの輸入球根から侵入し、数年の間にニュージャージー州からアメリカ各地へ拡大、天敵 の居ないアメリカでは大発生して農作物に大損害を与え、農業上の大害虫となった。
英名はこのような事情から「ジャパニーズビートル」とつけられた。
体長約8mm程の卵形の甲虫。上写真のように黒銅緑色から赤銅色を帯び、上羽は褐色で縦溝が並び、周縁が緑色に光り、尾 節板には一対の白い毛の紋がある。
成虫は5〜10月の昼間活動し、バラ、大豆、ブドウ、クリをはじめ多種の植物の花や葉を害する。幼虫は土中に住む地虫 で、バラや芝生などの根を食害し、成育には1、2年かかる。

マメコガネもニトルアー(マメコガネ)にはあまり掛からない。しかし、ニトルアーにはシロテンハナムグリなどが沢山掛か るので設置している。

先週頃から「ヒメコガネ」や「ハナムグリ」などもぽつぽつと出現しているが、今のところ被害は大したことはない。

5月30日
アオ?ハナムグリ2012.5.30


ハナムグリ 2012.6.29

ダム・ドゥ・シュノンソーに潜り込んで花弁や花粉を食べているハナムグリ。黄金虫と同様に食べられると花は汚くなってし まいます。

ドウガネブイブイ

6月14日
ドウガネブイブイ現れ始める。

ドウガネブイブイは黄金虫の中でも比較的大型、体長は25mmほどカブトムシと同じような暗赤銅色をしている。幼虫は芝 生やバラの根っこを食べ、成虫はバラの花や葉・特に伸び始めたベイサルシートを好んで食べるにっくき奴。
食欲は非常に旺盛、昨日まで真っ直ぐに延びていたベイサルシュートの先端5cmの所を囓られ垂れ下がって萎びていたり、 バラの他姫シャラなどの葉っぱも食べる。昨日まで綺麗だった葉っぱが無惨にもボロボロの穴あき状態になってしまう。食い 荒らした跡には沢山の黒い糞が残されているのである。
私は見つけると直ぐに捕まえ、憎しみを込めてフミツブースしている。
鈍感そうに見えても敵も然る者、捕獲しようと手を近づけると危険を感じクルッと落ち、下の方の見えにくい葉に捕まって逃 げようとする。最近は私も習性を知って、右手を伸ばす前に左手の平を葉っぱの数枚下の方に広げて、落ちてきたブイブイを 待ち構えて捕獲している。
同種に甲羅が緑色をしたアオドウガネ(写真は去年の記事↓下の方にあります)も居る、食性はドウガネブイブイとよく似て いる。

6月17日23匹捕殺(ドウガネブイブイ、内アオドウガネ2匹)
6月20日迄:8匹捕殺(同上)
7月:ドウガネブイブイ/アオドウガネ:多数50匹以上捕殺(ロンサール他バラ、姫シャラ、スモークツリー、椿他)
8月上旬:7月同様沢山捕殺した。8月下旬:たまに見かける程度でかなり少なくなった。

ドウガネブイブイの被害
姫シャラの葉っぱは大好物のようで、姫シャラの木でバラに付く前に沢山捕殺した。
ロンサールやゴールデンセレブレーションのベイサルシュートの先端をいつの間にか囓られたので、ドウガネブイブイの仕業 と疑っている。


アオドウガネ

アオドウガネはドウガネブイブイと非常によく似た習性をし昼行性で食性も殆ど同じ、体長25mm程で色は写真のように鈍 い緑色の甲羅(羽根)に覆われている。

7月8日
最近になってドウガネブイブイよりアオドウガネが多くなってきた。アオドウガネは他の木よりバラを特に好んで食するよう だ。
7月に入り雨の降らない日は毎日バラの見回っている。一番被害に遭っているのがピエールドロンサール1日に2・3匹は普 通で、8匹も捕殺した日が何回もある。


2012.7.21 エグランタインマサコの蕾を食べているアオドウガネ

本当に腹が立ちます。

コフキコガネ

コフキコガネは黄金虫の仲間では大型の部類に入り体長30〜35mm、夜行性のため夜街灯や網戸にやってくるのをよく見 かける。
宮崎での活動時期は6月末から8月である。(コフキコガネの写真は下の2010年7月の記事を参照)我が家の薔薇庭では 時々昼間でも若いシュートに付いて食害しているのを見かける。
今年は夜の内多くのバラが若いシュートの先や葉っぱを囓られる被害に遭っている。夜中、実際にバラにコフキコガネが付い ているのを見た訳ではないが、昨日まで無傷でグングン育って2m程に伸びたピエール・ド・ロンサールのベイサルシュート の先端が次の朝(6/28)には囓られていた。6月25日夕方1匹手で捕ってフミツブースした、それ以前も2匹程捕殺し た事からそう思っている。
その他のバラでは、セント・スイザンやゴールデン・セレブレーション、マダム・ピエール・オジェの大切なベイサルシュー トを囓られている。

コフキコガネ 2012.6.29

姫シャラの枝に止まって葉っぱを食べているコフキコガネ
今年のコフキコガネはドウガネブイブイを少し大きくした程度。
コフキコガネは8月下旬には殆ど見かけなくなった。

ヒメコガネ

ヒメコガネは黄金虫の中では中型、成虫体長13〜16mmバラ・豆類・広葉樹等を食害、幼虫〜25mm芝や薔薇の根を食 害、日本全土に分布、活動期6月から8月。
(写真は2012.8.3撮影)

宮崎では7月上旬頃からヒメコガネが現れ、バラの花、新しいシュートを囓っている姿を見かけるようになった。
7月下旬から8月中旬 ヒメコガネ出現のピーク時期、最も沢山のヒメコガネが現れ、バラの他姫シャラ、ランタナなどにも 沢山付いて花や葉っぱを食害している。この時期フェロモントラップ「ニューウインズ」に最も沢山掛かっている。
雨の後
農薬散布した後10日以降、また雨が降っている時は黄金虫も活動が緩慢になる様で、雨の後は沢山のヒメコガネがバラにた かっています。

2012.8.26 フォールスタッフにヒメコガネが群がって食い荒らしている様子、蕾は折れほおっておくと葉脈だけの 酷い状態になります。見えているのはヒメコガネだけですがアオドウガネもまだ沢山います。

これらは見つけ次第テデトール捕殺します。ニューウインズのフェロモンのニオイが薄れたのか捕獲数が少なくなりました。

シロテンハナムグリ

7月中旬にはシロテンハナムグリをバラの花や株で活動している姿をあまり見かける事がなくなった。一方、マメコガネ用 フェロモントラップには沢山とらえられている。この事がフェロモントラップの効果だと思っている。

コガネムシ用フェロモントラップ(誘引捕獲器)の設置

フェロモントラップは雌の性フェロモン(ニオイ)を利用して同じ種類の雄を誘引し捕獲する。+αのニオイであわよくば他 の黄金虫も捕獲する仕掛けである。
フェロモントラップにはニトルアーとニューウインズがある。

ニトルアー(マメコガネ)フェロモン誘引捕獲器を2010年から2基を設置している。主にシロテンハナム グリが沢山捕れている。

ニューウインズパック(ヒメコガネ、ウスチャコガネ)を2012年5月15日に購入し、セットした。
フェロモントラップ(ニューウインズ、ニトルアー)設置
ニューウインズの設置状況、写真はヒメコガネ用トラップ

左奥約10mにはニトルアーの設置も見える。ニトルアーの設置写真は去年の記事(下の方)もご覧下さい。






























フェロモントラップは全部で4基(マメコガネ2基、ヒメコガネ、ウスチャコガネ各1基)のフェロモン誘引捕獲器を設置し ている。
現在カタモンコガネ用フェロモンがないので外見と発生時期が似ているウスチャコガネ用フェロモンを設置。当然の結果とし て、ウスチャコガネ用トラップにはカタモンコガネは全くかからず、今のところテデトールしかない状態である。

ホルモントラップによる黄金虫の2012年捕獲状況

ニトルアー(マメコガネ)

ニトルアー(マメコガネ)の2012年捕獲数

2012.7.14 沢山のシロテンハナムグリが掛かる。マメコガネは数匹と少ない。写真下

写真撮影後ビニールに入れ殺処分。

2012.7.31再度ふたを開けると少し少な目のシロテンハナムグリが掛かっていた。ビニールに入れ殺処分

2012.818再度ふたを開けたが、シロテンハナムグリ10匹程度
ニトルアー(マメコガネ)はマメコガネの捕獲数は少ないが、シロテンハナムグリは比較的良く捕れる。

ニューウインズ(ヒメコガネ)

ヒメコガネ用フェロモントラップの2012年捕獲数

2012.7.14(1回目下の写真) 約100匹以上のヒメコガネと数匹のカナブンが掛かる。

この後ビニールに入れ殺処分。

2012.7.31(2回目) ヒメコガネ約300匹程度(2週間)
上の写真から2週間後、再度ふたを開けると、今度は上の写真の3倍程(気持ちが悪くなるほど)大量のマメコガネが掛かっ ていた。ビニール袋に入れキンチョールスプレーして入口を閉じ1夜放置し殺処分。(ごそごそ動くし、臭いもきついのでか なり気持ち悪い。)

2012.8.10(3回目) ヒメコガネ約200匹程度(10日間)

この後ビニール袋に入れ殺処分

2012.8.18(4回目) ヒメコガネ約200匹程度(8日間) 上の写真と同程度
 ビニール袋に入れ殺処分
 
2012.8.25(5回目)ヒメコガネの捕獲数はかなり少なく100に規定度に減少
 しかし、雨の後など庭を見る限り少なくなった様子はみられない。

ニューウインズ(ウスチャコガネ)

5月中旬に仕掛けたが全く掛からない。
1匹も掛からない原因の一つは、ウスチャコガネには+αの臭い成分が付いていない事にも原因がある。設置高も地上 0.5mから1.5mと試してみたが同じである。
真の原因はフェロモンの種類、4月・5月に我が家のバラを食い荒らす黄金虫は体長・写真等から判断するとカタモンコガネ と思われ、姿形はよく似ているが種類の違うウスチャコガネのフェロモンには全く寄ってこない。(当前のこと)

従って、黄金虫の種類を間違えると全然掛からないので、今悪さをしている黄金虫の種類を特定する事が最も大切。
特定出来たとしても、季節毎に黄金虫の活動時期や飛び回る高さは異なる。我が家のように住宅地の近くに農地や公園などが ある場所では少なくとも6種類以上の黄金虫が生息しており、その数だけフェロモントラップが必要となる。
また活動時期もコガネムシの種類毎に異なるので最も活動する時期にセットする必要がある。

 雌の性フェロモン+α(臭い)を利用した誘引捕獲器は、基本的には雌のフェロモンで雄の黄金虫を誘引し捕獲す る。このため、黄金虫の種類ほどフェロモントラップが必要となるが、コガネの種類を特定出来れば沢山捕獲出来る。
 しかし、卵を産むのは雌のコガネムシ、雄を沢山捕獲しても生き残った雄と雌が交尾し、雌は沢山の卵を産み付ける、 このため次年度にはあまり効果がないとも考えられる。雌を捕獲出来るなら効果は絶大となるはずなのに。。。

(故に経済性は悪い。器具+フェロモンセット:6800円(フェロモンセット:3500円)程度)

牛乳パック練餌誘引トラップ(捕獲器)の制作

2012.7.16設置
牛乳パックの横に穴を横幅より少し小さめの四角い穴を空け、中に練り餌60gを入れ、地上1.5mの高さに設置する。 (徳島県妨害虫防除所資料より)
練り餌は1月毎に作り交換する。
外側を青色に塗ると効率がよい。(私は上記フェロモントラップと同じモスグリーンに塗った。)

上の写真のようにバラ園の周りに4基設置した。

練り餌の作り方(内は4基分)
清酒・・・・200cc(50cc)
砂糖・・・・200g (50g)
米酢・・・・150cc(37.5cc)
きな粉・・・400g(100g)
ディプテレックス粉剤・・・・100g(25g)
上記分量では多すぎるため、1/4(内分量))で4基分作り、各牛乳パックに約65g程入れて設置。
上記トラップは餌を食べに来た黄金虫を捕獲するため、フェロモントラップほどの選択性はないと思っている。
設置効果は判りにくいので後日何らかの形で検証したいと考えている。

2011年

4月、5月
 日頃から減農薬に心がけ、農薬散布を必要最小限とすること、及び出来るだけ環境に優しい農薬で対処することに心がけて います。
今年は3月末から6月にかけ殺菌剤の散布を6回行い、そのうちの半分は環境に優しいうどん粉病の予防・治療薬カリグリー ンである。残りの3回は殺菌剤の濃度を薄く散布しています。
うどん粉病が発生した株は(黒砂糖+米の研ぎ汁)や強酸性水で葉っぱを洗うなどで対処しています。
害虫に対してはやや無防備の状態です。
完全に無防備と言う訳ではなく、出来るだけ天敵や有用菌などの働きで害虫を防除したいと思っています。

ヒメコガネ

ヒメコガネは日本全土に分布。
 成虫は春から秋にかけて発生し、バラの他、豆科植物など様々な植物にやってきて花や新芽葉っぱを食べる。そして交 尾し、地中に卵を産み付ける。
2011.9.10 ヒメコガネの交尾

(花園で交尾なんて洒落ていますが。。。)

 幼虫は地中で生活し、植物の根を食べる。バラの他農作物や芝などの根を食べて枯らすこともあり、成虫同様に憎い存 在である。卵から成虫まで通常1年ほど地中で生活するが、寒冷地では2年かかることもある。

2011.9.4 写真:芝生の根切りをした時に数匹出てきたコガネの幼虫。

このほか薔薇の植え付け穴を掘っていると、数匹の黄金虫の幼虫を見かける。その種類も大きいのから小さいのまで様々生息 している。

 コガネムシの種類は非常に多く、我が家のバラの葉っぱや花に集まる種類だけでもカタモンコガネ、ヒメコガネ、ア オドウガネ、マメコガネ、コフキコガネ、シロテンハナムグリ、コアオハナムグリ、アオハナムグリ等がいる。
 これらのコガネ類は昼間によく見られ、葉や花に固まって葉や花を食べていることが多い。動きは少し鈍く、わりと簡 単に捕えることができるが、手を近づけると自ら落ちて逃げようとすることもある。
 このほかに夜行性のものも多い。


4月、5月
 薔薇が咲き始めると、ハナムグリや小さなコガネムシが現れ、今年は去年より花の数が多い分ハナムグリもコガネも多い。
 ハナムグリやコガネはバラの内、白系統の香りの良い(強香)花が好物のようで、特にヘリテージ、ジェフ・ハミルトン、 シャリファ・アスマ、ナヘマ、アブラハム・ダービー、セプター・ド・アイル、スパニッシュビユティ、アンジェラなど、下 の写真のコガネやハナムグリを多く見かけ、咲き始めの花や蕾そして新芽や葉っぱが被害に遭っている。

テデトールフミツブース
一番花の季節、一番多くやっかいなハナムグリやコガネ。出没順・多い順に記載しています。
スパニッシュビユティの中のカタモンコガネ。右下はその糞(下の写真)

カタモンコガネ:体長=8〜9mm
体は小さいが食欲旺盛、蕾の内から中に入り込み花弁やシベをかじり、その後は無惨な状態になります。

ヘリテージの中のカタモンコガネ 囓られると花が汚れます。

ハナムグリの種類は去年と同じです。

エヴァ・ド・グルゾブレのシベを食べようとしているコアオハナムグリ(下の写真)

コアオハナムグリ:体長10〜14mm
ハナムグリは花の中に首を突っ込んで花弁やシベを食べます。

アブラハム・ダービーの花弁を食い荒らしているコアオハナムグリ(写真下:初期段階)

一夜でこの状態。
バラの花が本当に汚くなります。

6月、7月、8月
ヒメコガネ:12.5〜16.5mm(下の写真:バラの葉を食べている多分ヒメコガネ?)
 この時期一番多くやっかいなのはヒメコガネ、バラの花と蕾、そして新芽を食い荒らし、ニトルアー(マメコガネ)には掛 からない。我が家ではその数がやたら多い。
 我が家のように元畑地にバラを植裁している所ではその生息場所は庭(畑)全体となり、芝生から畑(実は雑草地)、果樹 園まで全部で500坪程ある。
 一方住宅地で近くに幼い子供もいる事から強い農薬などはあまり使いたくない。また高価な薬剤も散布出来る限度がある。
 従って、今のところテデトールフミツブースしかないのである。

 テデトールの数をカウントしたところ、8月上旬は毎日4・50匹を捕獲している。中旬以降少し減少して 3・40匹前後になったが、不純な天候と関係するかもしれない。9月になり10匹前後に激減する。
(写真下:ヒメコガネ 12.5〜16.5mm)


8月中旬以降、アオドウガネ、マメコガネ、コアオハナムグリ等黄金虫の種類が多くなってきた。
(写真下:2011.8.21:ドウガネブイブイ 〜25mm)

こちらの写真がわかりやすいかな?
(写真:2011.8.22:アオドウガネ 18〜25mm)

体が大きい分食欲旺盛です。

(写真:マメコガネ9〜13mm 2011.8.27)

我が家ではマメコガネは8月中旬頃から目だつようになり、主に花の中で見つけることが多い。
羽の下の白い縞模様の体毛に特徴があり、見分けることが出来、とても小さくて食欲旺盛。
アメリカでは輸入球根に混ざって進入して大繁殖、作物や芝生を枯らす昆虫「ジャパニーズビートル」と呼ばれて嫌われ恐れ られた。

テデトール/フミツブースは効率が悪い、しかも気持ちの良いものではない。
何とか効率の良いスマートな方法は無いかと考えている毎日なのである。


雌の性フェロモンで雄コガネを誘引するトラップ(ニトルアー)の設置
 ニトルアー(マメコガネ)は雌の性フェロモン+ニオイ(α)で雄の成虫+αを誘引する仕組み。他の昆虫や野鳥人体など には無害で、環境に優しい事が大きな魅力です。
 早速、2010年7月に購入して設置。
 黄金虫の雌?の性フェロモンで雄をおびき寄せるため選択性が強い。この為現在購入しているマメコガネセットではマメコ ガネ少しとシロテンハナムグリ(+αのニオイに寄ってきた)は沢山掛かります。
 しかし、私のバラ園で最大の食害を及ぼしているカタモンコガネ、コアオハナムグリ、ヒメコガネ、アオドウガネ、ドウガ ネブイブイ等は全然掛からないのでやっかいです。

ニトルアーの設置(2010.7末 1基目を設置)


ニトルアーの設置(2011.7末 2基目を設置)

注:木に巻き付けてある白いはちまきは、バイオリサ(カミキリ):カミキリムシがはちまき の上を歩くと昆虫病原性糸状菌「 ボーベリア・ブロンニアティ」(Beauveria Brongniartii)がカミキリに付着し、体内に進入し繁殖して殺してしまう微生物殺虫剤。
2011.8.13全ての植木に設置。
この微生物殺虫剤も人間は勿論他の昆虫や密蜂・魚類には無害(無毒)であり、環境に優しい殺虫剤。

2週間で掛かったニトルアーの中(シロテンハナムグリ:16〜25mm 100匹以上)

薄暗い中筒の中身を撮っているため筒の部分が変色、外側の空色は本当は緑色です。(2011.8.16撮影)
9月3日も同等に捕獲

9月上旬は数匹捕獲できたが、それ以降は殆ど黄金虫がいなくなった。


結論として、性フェロモン誘引剤を利用したトラップ(ニトルアーニューウインズパック) は種の選択性があり全種類のコガネを捕獲するには少なくとも黄金虫の種類ほどの性フェロモンが必要です。しかも、カタモ ンコガネなどの性フェロモンは無いようです。


バチルス菌や線虫による黄金虫幼虫の駆除
 現在、アメリカでマメコガネ対策用に開発されたバチルス菌(バチルス ポピリエBacillus Popilliae)を利用して地中にいる黄金虫幼虫類を死滅させるMillky Sporeがある。
 散布は棒状のスポイラーにバチルス菌の粉末を入れ芝生やバラ園の土の上約1.2m間隔にバチルス菌の胞子を撒き(突 き)その後散水する。バチルス菌が2〜3年で土壌にまんべんなく広がって黄金虫などの幼虫に寄生して完全に死滅させる。 (40ポンド1万円程度)

 日本においては天敵線虫(スタイナーネマ グラセライ)を利用して黄金虫の幼虫類を死滅させるバイオトピアが ある。土中のコガネなどの幼虫に寄生し(体内に入り込んで)数を増やし死滅させるもので、幼虫の選択性はない。
 後者は、線虫を培養した粉末を水に混ぜ拡販しながら散布する。(約1パック18000円)散布機器の整った農場では比 較的簡単に散布出来るが、機器のない個人バラ園ではジョウロのようなもので散布するしかないのでかなり難しいと思ってい る。
 これらの方法は地中に住む黄金虫等の幼虫類全部に効果があり(希望的にも)、農薬ではないため他の昆虫類・魚・蜜蜂・ 野鳥・人体には無害と表示されている。

 私は雑草地を含め500坪程あるバラを植えている前庭でMillky Sporeを何とか手に入れその 効果を試したいと思っている。※その後調査した結果、残念ながら日本では蚕を生産しているため輸入禁止となっているよう だ。


鉢栽培のバラ
 8月下旬、パット・オースチンの花は、直射日光を受けると1日でちりちりとなってしまい、夏場の直射日光に弱い。それ ではと、西側にツルアイスバーグを植え、少しでも日照を少なくしたら。。。と思い立ち準備にかかる。
 幸いORなど4月に買った1年苗が10鉢ほど有る。その中からツルアイスバーグを選び、穴を掘って準備完了となった。
 4月に植えたアイスバーグを鉢の横をコブシで叩いて鉢から抜くと、底の方に小さな黄金虫の幼虫がごろごろ20匹ほど出 てきた。僅か4ヶ月でこうなるのかと改めてコガネの恐ろしさを知った次第です。
 発見が早かったため根はあまり痛んでおらず、季節が夏と言うこともあり、あまり鉢の形を崩さないまま地植えにすること が出来ました。

 コガネ成虫は地表から数センチのところに2〜30個のタマゴを生みつけ、幼虫は小さいうちは土表面に近い根を食べ、食 べる根がなくなると、更に土の深くにもぐって根を食べていくのだそうです。
ですから、バラの根元に生えた雑草や、寄せ植えした草花の調子が悪くなる時は、コガネムシの存在を疑って早めに処置した 方が無難だとか・・バラの根よりも地表に近い草の根の方がまず先に被害に遭うことが多いそうです。でも、これを発見する のはチョット難しい。。。
 近くのバラ友はコガネは腐葉土や牛糞を沢山使う程沢山居ると言います。どうも植物の根だけ食べているのではなく腐葉土 なども食べているようです。コガネとよく似たカブトムシの幼虫は腐葉土などを主食にしている事からも納得出来ます。

 幼虫を発見するには、表面の土が乾きにくい鉢、他と比べて成長が悪い鉢など、注意深く観察し、この様な鉢の中にはコガ ネを疑ってみる方が良さそうです。
 また、先にも書きましたが、黄金虫は初めは土表面から数cmの所から徐々に下の方にもぐるため、表土が異常に柔らかく なる。そうです。

 水張り検査、少し大き目のバケツ等に水を入れ、鉢土の表面まで浸かるようにする。数分で息苦しくなった 幼虫が出てくるそうです。
2011.9 水張り検査

外側の空色がバケツ 1年苗のラレーヌ・ビクトリア「合格」コガネの幼虫は居なかった。

 私の場合、1年ほどで地植にするからと安易な気持ちで、コガネの被害から鉢を守る処置をしていなかった事が原因。

 コガネが鉢の中に産卵しないようにマルチマット(ヤシガラマット)・不織布等でマルチングをするとか、土の中にピート モスを混ぜたり、事前にダイアジノン粒剤等を混ぜ消毒をする等の必要があると感じた次第です。

2010年の黄金虫達

2010年4月、5月
 薔薇が咲き始め、特にアンジェラやエヴァ・ド・グルゾブレの花にハナムグリが沢山いて、花弁やシベを食べ、花が汚くな る。
 種類はアオハナムグリ、又はコアオハナムグリ、シロテンハナムグリ、シラホシハナムグリ、ヒメトラハナムグリ、セマダ ラコガネ?などと思われ、今のところはテデトールしかない。

  憎いことにハナムグリは花弁の多い白系の花に蕾の内から中に潜って花弁やシベをかじって、蕾が開く頃には花弁が汚 れ、全く鑑賞価値が無くなる。
 かじられた後は、花弁もシベもずたずたにされ、かじり際が茶色く変色し、そこら中に糞が残り見るも無惨な状態になって しまう。

 この時期我が家で一番多いハナムグリは、うす茶色をした体長7〜8mmのセマダラコガネ(名前は不正確)とアオハナム グリ又はコアオハナムグリである。

 この時期、朝一番の仕事は花の中にいるハナムグリを見つけて、テデトールである。


2010年6月
 黄金虫、葉巻虫、青虫、尺取り虫類が発生し、バラの新芽や蕾に食害が出始める。
 19日 スミソン散布
 黄金虫は消毒ではなかなか退治出来ない。今のところテデトール、フミツブースしかない。

2010年7月
 4日 スミソン散布 1週間はコガネが来ない。
 10日 大型のコフキコガネが現れアンジェラの新芽を食べている。

 コフキコガネは大型なので一夜にしてシュートの途中をかじってその上の部分を枯らしてしまう。
 コフキコガネは主にアンジェラ、ピエール・ド・ロンサール、チャールストンなどのツルバラに付いている。

 15日 ヒメコガネの食害
スパニッシュビユティの葉っぱや新芽をかじっているヒメコガネ

 ヒメコガネはスパニッシュビユティの他ERにも付いてかじっている。一晩で葉っぱ数枚がかじられ、毎日10匹以上フミ ツブースしている。
 24日 オルトラン散布

2010年8月
 7月から黄金虫が多くなりチャールストン、ピエールドロンサールのベイサルシュートの1本をかじられた。
 この為、新しいベイサルシュートや新芽ににベニカXをスプレーする。
 スプレーしていないヒメシャラの木やランタナにヒメコガネがたかっている。毎日見つけてはフミツブースしている。
 28日 ネットで注文していたニトルアーマメコガネセットが到着
 早速庭のバラ園に仕掛ける。1時間後に中を覗くとシロテンハナムグリ2匹が入っていた。
 1週間後中を見ると恐ろしい程(200匹以上)入っている。しかし殆どシロテンハナムグリばかりでヒメコガネは1匹も 入っていない。
 結局一番多いヒメコガネは手で取るを続けるしかない。

2010年9月
 中旬になり黄金虫が少なくなった。

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